あなたの知らない中国語!

「あなたの知らない中国語!」の公式ブログです。毎週Podcast、Google Podcast、Spotify、Anchorとこのブログで配信しております。ご質問・ご意見はそれぞれのエピソードのコメント欄へお願い致します。

2021年7月20日(火) 每天五分钟 中国語リスニング 三十六计敌战计第一计“无中生有” 三十六計敵戦計第一計 「無中生有」

あなたの知らない中国語!

 

「2021年7月20日(火) 每天五分钟 中国語リスニング 三十六计敌战计第一计“无中生有” 三十六計敵戦計第一計 「無中生有」」

の配信がスタートしました!

原稿は一番下に掲載しております。

 

ご視聴は下記のリンクをクリックしてください!

または各Podcastのアプリで「あなたの知らない中国語」と検索してください。

 

Apple Podcast:https://podcasts.apple.com/jp/podcast/%E3%81%82%E3%81%AA%E3%81%9F%E3%81%AE%E7%9F%A5%E3%82%89%E3%81%AA%E3%81%84%E4%B8%AD%E5%9B%BD%E8%AA%9E/id1528116819


Google Podcasts

https://podcasts.google.com/feed/aHR0cHM6Ly9hbmNob3IuZm0vcy8yZmNjYzQxYy9wb2RjYXN0L3Jzcw==

 

Spotify: https://open.spotify.com/show/4qjiCy9BRd9KcC7j9TITM8

 

またこの番組ではご質問を募集しております。頂いたご質問はブログやTwitterで返信したり、一話を設けてご紹介したりすることがあります。

どうぞこの記事のコメント欄にて中国語や中国文化についてのご質問をどしどしご投稿くださいませ!

欢迎您提出各种问题!

……………………………………………………………………

原文

今日のリスニング


大家好!今天我们开始介绍三十六计的敌战计。之前介绍的胜战计是指我方拥有绝对优势时的战术,而这个敌战计则是我方拥有一定优势时可以采用的计策。这敌战计的第一计叫做“无中生有”,这个成语在现代汉语中的用法很容易理解。从“无”里面生出“有”来,也就是明明毫无根据,却偏要凭空瞎说。常被用来指捏造、胡说八道这样的行为。


但是在古代的战术中,这个成语的意思就完全不一样了。我们首先来看看这个计策的原文:诳也,非诳也,实其所诳也。少阴、太阴、太阳。“诳”是欺骗的意思,“阴”在这儿指假象,“阳”在这儿指真相。这句原文的意思就是:说是骗人,又好像不是骗人,但是实际上还是骗人。撒小谎,撒大谎,撒各种各样的谎,为的是隐藏真相。


这句话的意思可能不太好理解,我们来举一个古代战争的例子说明一下。唐朝中期爆发了一个叫做“安史之乱”的动乱,节度使安禄山建立了大燕国,举兵进攻大唐。这场动乱之中大唐的一座叫作“雍丘”的县城的县令令狐潮向燕军投降。燕军则利用令狐潮,让他举兵反过来攻打大唐。当时唐的名臣张巡带兵成功地夺回了雍丘城,把令狐潮的部队赶出了城外。但是令狐潮没有马上放弃,而是多次带着燕国部队攻城,最终牢牢地把雍丘城给包围住了。


燕军数量远远多于守城的唐军,正面迎战不是上策。于是张巡心生一计,他让手下做了几百个稻草人,并给稻草人穿上黑色的衣服,到了晚上从城头拴着绳子把这些稻草人偷偷地悬挂到城墙下面。燕军看到有数百个人影沿着城墙往下爬,以为是唐军要夜袭自己,于是便对着城墙拼命射箭,直到天亮才发现原来只是稻草人。


之后张巡每天采用这招,久而久之燕军也就习惯了。令狐潮的士兵都嘲笑张巡没有点子了,只能故技重施,防范也就松懈了。几天之后张巡挑选了五百勇士,并在夜里用绳子把他们放下城去。燕军以为还是稻草人,没加防范。等这五百勇士杀到面前的时候已经来不及了。这一计一下子就把燕军杀的退出去十几里,解了雍丘之围。


这就是典型的无中生有的策略了。具体做法分三步走:第一步,用假象欺骗敌人;第二步,让敌人识破假象,使其掉以轻心;第三步,变假为真,让敌方依然误以为假,然后一举击破敌人。我在三十六计第一计“瞒天过海”中介绍的太史慈出城假练箭的故事也有异曲同工之妙,还没有听过的朋友请回头听一下第56集。


最后再次提醒一下“无中生有”这个成语在现代汉语中的意思和古代战术里的意思是不一样的,要注意哦!

……………………………………………………………………

今日の単語とフレーズ


异曲同工(之妙)

直訳すると、曲は違うけれど、同じく美しい、という意味になります。つまりやり方は違うけど、効果は同じという意味です。書き言葉寄りです。


例文:

三大宗教虽然各自信仰的神不同,但是在教人为善这一点上有异曲同工之妙。


訳文:

三大宗教はそれぞれ違う神様を信奉しますが、「善意を以って生きよう」を教えている点においては同じですね。

……………………………………………………………………

訳文

今日のリスニング


こんにちは!今日からは三十六計の敵戦計を紹介していきたいと思います。一つ前に紹介しました「勝戦計」は我が軍が圧倒的に有利である場合の戦術で、これから紹介する「敵戦計」は我が軍がある程度有利である場合に使う策です。敵戦計の第一計は「無中生有」と言います。現代中国語での意味はとても分かりやすいです。「無」から「有」を生み出す、つまり何の根拠もないのに嘘を言うという意味です。よく捏造をしたり、でたらめを言ったりすることを指します。


しかし「無中生有」の古代での戦術としての意味は全く違います。先ずこの策の原文を見てみましょう。「誑也、非誑也、実其所誑也。少陰、太陰、太陽。」ここの「誑」は誑かすという意味で、「陰」は嘘、「陽」は真実を意味します。つまりこの原文の意味はこうです:嘘を言っているようで、言っていないようで、しかしやはり言っているようでよく分かりません。小さい嘘、大きい嘘、色々な嘘をついて真相を隠す。


ちょっと分かりにくいかもしれないので、ある戦いを例にしてご説明しましょう。中唐時代に「安史の乱」という動乱が起きました。節度使安禄山が大燕国を作り、兵を挙げて唐に攻め入りました。この安史の乱の最中に、「雍丘」という県(日本の市に相当する)の県長(日本の市長に相当する)令狐潮という人が燕軍に投降しました。燕軍は逆に彼を利用して、兵を与え、唐を攻撃するよう命令しました。それに対して当時の唐の名将張巡が兵を率いて雍丘城を奪い返すことに成功します。しかし令狐潮はすぐには諦めず、燕軍を率いて何度も攻めてきます。最終的に雍丘城を完全に包囲しました。


数で遙かに唐軍を上回る燕軍を正面から迎え撃つのは得策ではありません。そこで張巡が一計を案じました。彼は手下に数百体の黒い服を着た案山子を作らせて、夜に紐で吊るして城の下に下しました。燕軍からすれば数百の影が城壁から下りてきているように見えたので、唐軍の夜襲だと思って城壁に向かって一生懸命矢を放ちました。しかし空が明るくなってやっと案山子であることに気付きます。


その後張巡は毎日この手を使いました。時間が経つにつれて燕軍も慣れてきました。令狐潮の兵士たちは皆張巡が策に尽きて、これしかできなくなったと嘲笑いました。これを見て数日後、張巡は五百名の精鋭部隊を選抜し、夜に紐で城の下に下しました。燕軍はまた案山子だと思ってさほど守備をしませんでした。五百人の兵士が目の前に来た頃にはもう遅い。この一計で一気に燕軍を十数里も下がらせました。雍丘城の包囲はこれで解かれました。


これが典型的な「無中生有」です。「無中生有」はスリーステップで実行されます。ステップワン、嘘で敵を騙します。ステップツー、わざと嘘だと見破らせて、敵を油断させます。ステップスリー、嘘を本当に変えるが、敵には嘘のままだと認識させます。それを機に一気に敵を叩きます。三十六計第一計「瞞天過海」で紹介しました太史慈が城を出て矢を射る練習をするフリをしたあの策も具体的なやり方は違えど、狙いと結果は同じでしたね。まだ聞いていない方は第56話をお聞きください。


最後にもう一度注意事項を申し上げます。「無中生有」という四字熟語は現代中国語での意味と古代の戦術としての意味は異なります。お気をつけください。