あなたの知らない中国語!

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2021年7月15日(木) 每天五分钟 中国語リスニング 三十六计胜战记第五计“趁火打劫” 三十六計勝戦計第五計 「趁火打劫」

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原文

今日のリスニング


大家好!今天我继续来介绍三十六计胜战计第五计“趁火打劫”。这个计策从字面上就很容易理解,趁着对方家里着火的时候去抢东西,真是太卑鄙了。这个成语在现代汉语中也经常使用,比喻乘人之危,谋取私利,属于偏贬义的词语。


但是当这个计策被用在战争上的时候,中国文化则认为它是一个正常的、可行的计策。因为中国文化中提倡“兵不厌诈”。“趁火打劫”这个计策的原文是这样的:敌之害大,就势取利,刚夬柔也。这儿的“害”是指敌人所遭遇到的困难,“刚”指的是己方,“柔”指的是变弱的敌方。所以这个原文的意思就是当敌人遇到很大的困境的时候,我方作为强者应该果断抓住这样的机会取得优势,来击败变弱的敌方。


中国的古人还对趁火打劫的具体做法进行了描述。原文是这样的:敌害在内,则劫其地;敌害在外,则劫其民;内外交害,则劫其国。敌方的困难一般来自两个方面,一个是内忧,一个是外患。天灾人祸、经济萧条、农民起义、爆发内战等都是内忧。外敌入侵或出兵攻打敌人属于外患。这句话说的是当敌人有内忧的时候就趁机占领它的领土,敌人有外患的时候就趁机夺取它的百姓。敌方内忧外患,岌岌可危的时候就赶紧吞并它。


比方说在春秋战国期间,吴国国土遭遇大旱灾,气候干旱到螃蟹留不下卵,稻谷留不下种子就死了。农业危急,国家也就十分不稳定。越国对遭受如此困境的吴国虎视眈眈。此时正巧吴王夫差离开都城前去和诸侯会盟,越国抓住这个机会进攻吴国,轻松地大获全胜。注意这个典故有其特殊的背景,并不能完全说越国就非常卑鄙,我找机会再详细介绍。


和趁火打劫类似的说法还有“鹬蚌相争,渔翁得利”,这个说法在日语中也有。这个渔翁能够得利可以说也是有一点趁火打劫的要素在里面。可能对日本人来说趁火打劫这样的思维方式和日本人的秉性,尤其是武士道精神相悖。不过自古以来经历了大量战争之后,中华大陆上的“兵不厌诈”思想已经深入人心,可能这就是文化的区别吧。当然中国也有像“恻隐之心”这样的说法,我们今后再找机会介绍。

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今日の単語とフレーズ


深入人心

人々の心に深く根付いている、人々に深く理解され受け入れられている、という意味です。どちらかというと書き言葉寄りです。


例文:

“落后就会挨打”的思想在中国已经深入人心。


訳文:

中国では「遅れたらやられる」という考え方は既に人々の心に根付いている。

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訳文

今日のリスニング


こんにちは!今日は引き続き三十六計勝戦計第五計の 「趁火打劫」についてご紹介したいと思います。この計略は文字からも理解できると思いますが、相手の家に火事が起きている真っ最中に強盗を仕掛けるという意味で、とても卑怯なやり方です。この四字熟語は「人の危機をチャンスだと思って私利を図ること」の喩えとして現代中国語にもよく使われています。マイナスの意味の言葉です。


しかしこの策が戦争で使われることについては、中国の文化からすると普通の行為、やってもいい策ということになります。何故かと言うと中国の文化では「戦に騙し合いは当たり前」という考え方があります。「趁火打劫」という策の原文はこうです。「敵之害大、就勢取利、剛決柔也」。ここの「害」は敵軍が直面している困難のことを指しており、「剛」が自軍、「柔」が弱くなった敵軍をそれぞれ指しています。つまりこの原文の意味は、敵軍に大きな問題が起きたら、我が軍は強い方として思い切ってこの機会を掴んで優勢を拡大し、弱くなった敵軍を叩くべし、です。


中国の古人は「趁火打劫」の具体的なやり方についても書きました。こんな文があります。「敵害在内、則劫其地。敵害在外、則劫其民。内外交害、則劫其国。」敵軍が直面する問題というのは大体二種類あります。一つは内部の問題で、もう一つは外部の問題です。天災と人災の発生、経済の停滞、農民一揆、内戦の勃発などはすべて内部に起きた問題です。外敵の侵略や外に出兵するのは外で起きた問題です。つまりこの文章の意味というのは、敵軍に内部問題が起きた場合、それを機に領土を占領すべきで、敵軍に外部の問題が起きた場合、それを機に民を奪うべきで、敵軍に内部と外部の問題が同時に起きた場合、風前の灯火になっている敵軍をそのまま飲み込むべきです。


例えば春秋戦国の時代、呉の国の領土が大干ばつに見舞われました。雨が降らなさ過ぎて、蟹が卵すら残せずに死に、稲が種すら残せないで死んでしまう程乾いていました。農業が危うくなると国ももちろん安定しません。このような逆境に遭っている呉の国に対して虎視眈々と狙っているのは越の国でした。その時、ちょうど呉の王様が各国の王様との会議に参加するために都を離れてしまいます。越の国はこの機会を掴んで呉に侵攻し、いとも簡単に大勝しました。ただ注意しなければならないのは、この物語に特殊な背景があり、越の国が卑怯と言えない部分もあります。詳細についてはまた今後詳しくご紹介したいと思います。


「趁火打劫」に似ている表現に「漁夫の利」があります。日本語にもある表現ですね。漁夫が利を得たのも「趁火打劫」の要素が入っていると言えます。「趁火打劫」のような考え方と思考回路は日本人の性格、特に武士道精神と真逆です。しかし古来大量の戦争を経験してきた中華大陸では「戦に騙し合いは当たり前」という思考が既に深く根付いています。これが所謂文化の違いでしょうね。もちろん中国にも「惻隠の情」のような言い方もありますが、それらについてはまたの機会でご紹介します。